劇団岸野組公演

今日は休日出勤の後、劇団岸野組さんの公演を観劇してきました。


今回の演目は岸野組さんにしては珍しい現代劇で、大雑把なストーリーとしては・・・。


会社でリストラを受けた中年男。
収入がなくなり、子供は受験を目前にしている状態で、リストラを受けたとも言い出せず、絶望に打ちひしがれて自殺を試みた時に現れたのが天使と悪魔。
天使は支援はしないが、正しく生きろと諭す。悪魔は魂と引き換えに3つの願いをかなえるとのこと。


男はつい悪魔の誘いに乗って3つの願いを手に入れ、最初に念じたのが自分の人生のやり直し。
本来の人生ではできちゃった結婚の挙句に大学を中退して就職だったため、出世コースに乗り切れなかったのが今の不幸の原因であると考えた。
そして、きちんと大学を卒業し、仕事に打ち込んでから結婚しようとしたところ、仕事に打ち込みすぎてしまい、結局本来の妻とは別れる結果になった。
そのまま仕事に打ち込むも自分の行動でほんの少しずれてしまった歴史の流れの結果、本来より少し早いバブルの崩壊に巻き込まれて一転不幸のどん底へ。
命の危機を迎えるも2つめの願いで回避。


残り一つの願いを「借金を返済し、家族全員が死ぬまで不自由なく暮らせるだけの金銭」としたところ、たしかに金銭は入ったものの、自分以外の家族は全員事故や病気で瀕死の状態。
絶望しかかったところへ天使からの契約解除の提案。


家族は全員ボロボロだけど、金銭的には困らない生活と、これから先がまったくわからない本来の生活。
男はいったいどちらを選ぶのか・・・


といった感じでした。


岸野組さんのお芝居は一言で評すると「大いなるマンネリ」なんですよね。
話の展開は非常に読みやすく、多分こう進むのだろうと思った観客の期待をほとんど裏切ることなくストーリーは進んでいきます。
しかし、それは全て脚本の思惑通りであり、本多劇場クラスの劇場で観客の思考をそこまで誘導できるという点で非常に質の高いシナリオだと思います。


月曜日には劇団員との懇親会にも参加してくるつもりです。